D.C.S.S. 最終回 幸せの鐘

…………………………初見じゃ手紙を見せて元に戻るのを桜の木が邪魔してそれを見たアイシアが桜の木を枯らそうとして失敗したけどアドバイスを受けて枯らしてその場から去っていく。
そして結婚式で現れて皆に小さな幸せを配って去ろうとするのを呼び止められてendしか読み取れないな。まあ満面のハッピーエンドって感じ。というより久々に主役級の結婚式end見た。ちょっと違うが怪盗セイントテール思い出したわ。

さてちょっと変わった見方をしてみよう。
〜前半スタート〜
前回さくらが言ったとおりに苦しむ純一と音夢。それにおどおどするアイシアという構図は変わらない。
そして学校、ここでは純一が何も言っていないのでその真意を測りかねるのだが、おそらくそこでは周りがさくらの影響下にある中で自分だけ何か違和感があるのがその理由だろう。
純一がいなくなっただけであの有様になる昼食グループ。そんなに横のつながりないのかよ!と突っ込みたくなるが純一のいきなりの変化にとまどいを隠せないのだと好意的に解釈しておく。
そしてバスケット(そういや1話でしかやってないんじゃね)をやる純一。シュートが外れるのはこの違和感に対してどうしようもないやるせなさを表しているのだろう。そこで杉並が現れる。彼がシュートを決めるのはそこで一つの答えが提示されるからだ。本人にまでトトカルチョを進めるという半分ミスリードをやってから桜の話へ。「異質に思える」という台詞からその違和感がどこにあるのかを純一に提示する。
そして手紙のシーンへ。恋人のような関係から再告白というところでまた桜の力でその答えを出すことができない。杉並の誘導はまだ拙速過ぎたわけである。
アイシアがそれを見てその止められてしまう答えが自分のせいであることに気付く、そして、桜の木へ走らせるのだった。
〜前半終了〜
さて、なんか前作と似たような感じになっている。まああまりにもわかりきっていたからいいのだけれど。で、やっぱり桜は枯れない。さくらも無理だという。うーんデジャブ感たっぷり。でもこの感想は制作側のあからさまなリードだから注意深く見る。
純一だけがアイシアのいる場所に到達できるだけの情報を持っているのでそこに向かいます。多分2年前のさくらのことを思い出したのかと。ところでどこまで記憶がなくなっているのだろう。純一と音夢が恋人というところだけなのだろうか?対した論点ではないがふと気になった。
いつまでも告白を許さない世界が幸せであるわけはないだろう。それを作ってしまったアイシアが反省をする。のはいいとして、アイシアが純一を好きだというのがどうしても納得できない。確かにそう考えてしまえばこの桜騒動がさくらの言うような、アイシアは純一が好き→音夢のようになりたい→その心に気付いてない→自分の願いを皆の願いだと思い桜の木に願う
という形になり。今までの話が一気に整合性が取れるようになる。のだが、なんかそのための自己アピールがアイシアには足らなかった気がするなぁ。だからその心に気付いていないに繋がるってのはいいのだけれど。これを表現すれば気付いていることになるし、表現しなければ自分のような感想になる。難しいものだな。
で、アイシアは桜を枯らしてどこかに消えていきましたとさ。でも、結婚式なんてやるわけだからいるのはお約束。そしてこれでハッピーエンドと。
〜後半終了〜
最終回ですんなり論点を纏めきった作品だった。気になった部分をしっかりフォローできていたし。
問題点としては完全に論理展開を優先したため空気キャラの続出、主役級すら空気扱いになるという状態があったことが一番じゃないかと。エロゲ原作だからそのキャラに思い入れがあったりするし。
自分はわりとこういう論理構成重視なのが好きな部類なのでなかなかに楽しめた。特にこの作品はさりげにしっかりやっているのがよかった。