梶浦由記再考察

サインを頂きました

久々に書いてみます。今回はソロアルバムFictionについて
 これは梶浦由記の名義の中では一番のCDです。ゼノサーガが名盤だとするとfictionは神盤といっても過言ではありません。はっきりいってそれまで出していたCDとはこだわりが違うように感じるのです。イーリアンパイプも使ったのは初めてじゃないかと。なおこのCDはアメリカ盤と日本盤があり収録曲に差があります。*1
 各曲の感想
1key of the twilight
.hackからRimixはシンプルにしたとのことです。ただ深みが増しているように思います。
2cynical world
初めて聞いたときの感想は‘怖い’でした(笑)歌詞もかなりの怖さですし、曲名からして直訳すると「冷笑的な世界」になるので*2やっぱり今でも感想は怖いさらにイーリアンパイプがその怖さを引き立てているように思います。
3fake wings
この題名を思い出すだけで「昴様ー!」と叫びたくなるのは私だけでしょうか(笑)いうまでもなく.hackからですが。「偽りの翼」なんてそりゃ銀漢みたいに叫びたくもなりますよ。
……曲の感想じゃねえ
4fiction
 アルバムタイトルの曲である意味一番陽気な曲。ただ歌詞を見ていればこの曲に深いなにかを感じ取るような気がします。
 実は二番の歌詞、人だけが夢を紡いでいけるからという部分はangela・明日へのbriliant roadの歌詞、夢をえがくのは人に生まれたからという部分とどこか似ている。いえ、ぱくりとかどうということではなく、同じ年に方向性違うのに同じような歌詞が被ったのが珍しいと思っただけです。意味的には同じことだと思いましたから。
 ちなみにこの曲の意味は「小説」ではなく「人の手によるツクリモノ」という意味でのfictionです。
5vanity
「虚栄心」を「儚さ」と訳すセンスに思わず感動した曲であります。ピアノがその儚さというのを表現しているような曲だと思います。歌詞はどこかどうしても叶わないものに対して「来てお願いだから」といっているような「儚さ」がある曲だと思います。
6red rose
本人いわく思いつきらしいですが、どこか民族音楽っぽい感じがよくイーリアンパイプがノリノリでボーカルが妖しいという曲です。
7canta pre me
この曲でどれほどの人間がアニオタになったでしょうか。ボーカルがパワフルで他も全体的にレベルが上がっています。Noirで使われたやつとは出来が違います。おそらく前に使われたときから一番変わった曲の一つ。
8zodiacal sign
今聞いてみるとこれがヤンマーニの原型(笑)ノリもいいしエンジニアのjoeがサブタイトルにfuturistic Egiptian discoと付けたのも頷ける。
9awakening
初めライナーノーツを見たとき「まさか奴隷船の歌はないだろうと」思って聞いたら、
「聞こえました」_| ̄|○
鈴音が鎖を引きずるというらしいですがその印象がすぐに頭の中で浮かんできました。
10open your heart
イーリアンパイプのソロが容赦なく聞くものを眠くさせてくれます(笑)またそれが心地よかったりするんで眠れない日にはぜひ。(笑)
11winter
 何故だかわからないけれど梶浦氏は夏に冬の名の付く曲を出し、冬に夏の名の付くものを出すような気がする。
 シンプルな恋の曲とでも申しましょうか。どんな寒い中でもあなたといればいいと言う曲です。
12salva nos
痺れました。ええ、痺れましたとも。オペラボーカルの女性合唱。Noirの時でさえ賛美歌としての色が濃かったのにさらに一段上げたと言う印象。特筆すべきは、追加部分でこれの出来が驚異的に凄すぎる。よくここまで声が出るなという位の高い声に最高調の盛り上がりでこのアルバムを買った人ならどの曲が好きかと聞いたら絶対上位にある曲。
13lullaby
 Noirから、これははっきり言って別曲になってしまいました。jazzそのもので本当にどこかの薄暗いバーで流しても通用するような曲です。ピアノが非常に印象に残ります。
14echo
まさに残滓ですかね。すっと流れてすっと消える感じに

*1:日本盤の方が曲数が多く一部ではどうして入ってないんだよといわれたらしい(笑)

*2:訳では冷たい世界となっています