政治学8

2-2政党システム
2-2-1政党システムの類型論
政党は国によってさまざまで勢力もさまざまである。そしてこれを類型して論じるのが正当システム論である。

昔の類型と主な特徴

  • 一党制  独裁
  • 二党制  安定した民主主義
  • 多党制  不安定な民主主義

だが現実とは違うのではないかという批判からサルトーリGiovanni Sartoriが新しい類型を提唱した。
まず政党システムを

  • 非競合的政党システム  政党間に政権をめぐる競合がないシステム
  • 競合的政党システム   もちろん↑の反対

の2つに分けそのうち非競合的政党システムを

と分ける。
また競合的政党システムは5つに分けられ

  • 一党優位政党制

結果的に一つの政党がずっと政権を持ち続ける。例55年体制の日本・インド

  • 二党制

2つが拮抗していて定期的に交代。例アメリカのみ

  • 穏健な多党制

政党の数が3-5でイデオロギー距離が比較的近く政党が意識的で求心的に行動する、そして政党の連合による政権で運営される。例大陸ヨーロッパ

  • 分極的多党制

政党の数が5-8でイデオロギーが比較的大きい勢力の強い反体制野党が両翼にいて中道が政権をとるが遠心的に働いて不安定になる。例少し昔のイタリア

  • 原子化政党制

ぬきんでた政党のいない他党乱立。独裁の崩壊後の一時的な現象。

これらの意義は多党制が不安定だというのを除去したことにある。

2-2-2 2大政党制の神話
わが国の民主主義は成熟していない。なぜなら二大政党制でないからだ。
その根拠は2つあり

  1. 多党制では単独で政権が取りにくく連立になりやすい。連立は劣っていて単独になりやすい二大政党がいい。
  2. 二大政党で国民の支持を争うと国民のニーズに合わせられ、政策が過激なほうへと走らずに政治が穏健になりやすい。

=「二大政党制の穏健化効果」
これは有権者の政治態度が正規分布(極左極右が少なく中道が多い場合)であった場合に成立する。しかし、国民の政治的態度が正規分布を描いていない場合+穏健化効果が働いても有権者の望む結果になるわけではない。とのことから2大政党制は神話といってもいいのではないか。