『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』FINAL PLUS 〜選ばれた未来〜

録画していたのを見てみた。まず見て3秒でハードディスクから最終回消去しててよかったということを確信。
絵に関しては戦闘シーンに結構修正が入っていて驚いた。
内容に関しては最終回部分についてはあまり変わっていなかったので感想は以前のまま。なので新規カットについて考えてみる。
まあシンとキラが手を握っただけなのだが。なんというかこれ伝えたいことわかるでしょ。戦いあっても戦争が終わって仲直りすることはできるって。まあ自分としてはシンが泣きじゃくりながらキラに対して散々言った後に「花をまた咲かせればいい」と言ったほうが展開としてはよかった気がするが、そこはそういう小手先よりも中身を重視したのだろうと解釈してみる。この作品伝えたいことがあると寡黙になる傾向があったし。

ただ、この番組(とはいってもシリーズだが)、において注意しなければならない点がひとつだけある。ネット上ではいろんなことで叩きの多いこの作品だが遺伝子組み換えはよろしくないという意見においては誰も突っ込んでいないと思われる*1倫理的な話題になっているにもかかわらず、その点において誰も突っ込んでいないのは思考停止しているからじゃないかと思ってしまうのだ。あらかじめ述べておくと自分は遺伝子組み換えには反対の立場を取っている。さらに世論的にも反対派が多い。だからといって賛成派の意見がまったく聞こえないというものおかしいだろう。
そこで、仮にこの番組の根底に遺伝子組み換えはよろしくないという意識を植え付けさせようとする意図があったとすれば、その反論が出ない時点でそれを仕掛けようとした人間にとってこの作品は大成功を収めたということになる。わざと叩かれることによって話題性に上げ。作画がどうなの、脚本がどうなの、と表面的な部分で議論をやらしておいて、その実、遺伝子組み換えはよろしくないという部分は我々の頭の中にすんなりと入り込み固定される。
こんなことを書くとそんなもの種が始まる前から知っていたといいたくなる人間もいると思うがそれはそれでいいのだ。遺伝子組み換えはよろしくないというとやっているのをみて「自分の考えは間違ってない」と思って以前の情報を反復して安心できる。いわゆる繰り返しを受けることになって、反復した情報をそのまま受け入れるならばますますよろしくない側に立つわけだから仕掛けた側としては万々歳だろう。
もしそういう意図を仕組んだものがどこかにあったのならば、我々は約2年間に渡ってそのことを教えられてきたのである。確かに、上記の話は被害妄想に近いものかもしれない。しかし、テレビは人に影響するために作られるもので、今の世論はそうやって作られる。この前の選挙の小泉劇場などその典型例ではないか。そう考えるとこの話があながち完全なる嘘、とはどうも思えなくなるのだ。
このアニメを論理的・感情的に批判するのはいいとしても、この番組にはそういう危険性を孕んでいることを頭の片隅に入れておくのもいいかもしれない。

*1:夫妻への批判なら山ほどあるが