久々にやってみよー

韓国は名称提案せず、日本は調査中止…竹島で日韓合意http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060422-00000013-yom-pol
ああ、そうなんだすまない一番面白くない合意だったんだよ。結局、物事は動かなかったからねこの過程は拿捕するとか粛々と行うとかの応酬がやたらと面白くて
ついに日韓で戦争か?なんて考えてしまったけどこんなものなのだよ。

ちょっとソースが曖昧なのだけれども韓国に協議に行くのは外務省が行かせてくれと頼み込んだらしいそうだとしたら何故その行動に出たのか考えてみる

まずは、外務省お得意の土下座外交ではないかと考えたやはり今までそのような「弱腰外交」を続けてきたわけだから今回もそうであるのではないかと実際否定する材料もないし不透明なのは相変わらずとなればそう考える
でも、ここで頭をよぎったのは元外交官の人が外務省の鉄則として
「外交に夢を見てはならない」いう言葉を言っていたのを思い出す
確かにこの事件は韓国が拿捕して→海上保安庁と武力衝突→韓国軍VS自衛隊→自衛隊の圧勝というシナリオが出来上がっていた、と思う。少なくとも某掲示板にとっては一番の期待のシナリオだった
期待という言葉で気付かれたかもしれないがこれはいわゆるこうなってほしいという名の夢である例えランチャスターの法則で自衛隊が圧倒的優位に立っていたり日本側が調査を始めれば勝負がつく状態でも外務省は夢を見てはいけないのである

そう考えるとこの事件の裏側が少し見えてくるこれは外務省が夢を見てはいけないという鉄則を守り通し調査船の人名を危険に晒さなくて済んだ外交努力だったと評価できる
現状維持という結果となんら変わりない結果であるし私は戦略としてみるとマイナスであるとすら思うのであるがそれよりも自国民の命を守るという国益を守ったのである

もう1つ考えたことがある。
それは、日本が汚名を被せられることにならずに済んだことだ。
実は民主主義国家同士で戦争が行われたことは未だかつてない。
第2次世界大戦もナチスは民主主義ではないし、パレスチナ戦争、ベトナム戦争カンボジア紛争、イラン・イラク戦争湾岸戦争、ユーゴ空爆東ティモールイラク戦争などと少し考えただけでも民主主義同士の戦争が起こっていないことを示してくれる。
これはジョン・ロールズという哲学者が民主主義同士は戦争をしないという思想である。内容は省かせてもらうが、カントの共和制を広めることによって戦争はなくなっていくという思想の流れを汲んでいる。*1まさか外務省がこのことを知らないとは思えない。

もし、ここで日韓激突というシナリオが成立してしまっていたら、日本と韓国は今まで成立していたこの理論を破壊してしまうという不名誉を受けることになったのである。この不名誉は相当なもので、最悪民主主義同士の戦争が頻発するきっかけとなるかもしれない。今までの外交において条約を1つも破ったことのない外務省が、この理論を破壊してしまうことをどう考えたのだろうか。と考えると、この話の思想的な意味を見つけることができる。

つまり、これら2つの意味から外務省はわざわざ外務次官が行って話をつけてくるという行動に出たと考えられる。結果として玉虫色と言われるような話し合いとなってしまったが、判断としては間違いだったとは言いづらいだろう。

*1:カントは共和制同士が戦争を起こすのならば片方が領土拡張を試みているからだと述べている。太平洋戦争が民主主義同士の戦争であると反論を思いついた人はここの部分を考えてもらえるといい