幻想水滸伝5

幻想水滸伝V(通常版)
あ、多少ぼやしているけどかなりネタばれあるんでそこよろしく。














結論から書くとなかなか楽しめるゲームだった。特にストーリーに力を入れているのがわかった。それも現在の思想的対立の一部分をわざわざ孕ませて物語を展開した。それぞれ気になった点をあげるときりがないのでどんな風に考えながらゲームをしていたのかだけ書いておく。

始めは、ゴドウィンにいつ裏切られるのかというのをのんびり楽しみにしていた。そしていざ裏切られて幻想水滸伝によくある逃亡をするまではいつもの通りだったのだが。バロウズ家に居候あたりから話が変わってくる。今までの幻想水滸伝では大体こういうのが割とあっさり仲間になってというのが定番だったのだが、今回これがリベラルを証した利己主義者だったものだからこの話が現実の保守対リベラルの戦いのように思えるようになった。とはいっても、この作品はその両方を確実にバカにしている。ゴドウィンの兵隊はかならず田舎っぺだし、バロウズは明らかにヘタレ属性だった。これはわざとだろう。

王子はバロウズにいいように使われかかったので、それからうまーく逃れ第3勢力としてやっといつもの幻水っぽくなる。この時点で、ロードレイクを救っているところからひとつの方向性が見えてくる。

カガリ「生きることが、戦いだ!」
以上。正直この作品はイデオロギー対立よりも生存権のほうが優先されるべきともいえるような部分が多い。後半のリオンリオンの流れなんてここが思いっきり出ている。おそらくこれが本当のリベラルである!というのをスタッフが理想に思っているのではないだろうか。そこからは全体的に「形」を意識したストーリーが展開される。それも主人公側にとっていい形が。なんかクリーンなイメージを作り続けていた。

まあそのクリーンなままとか思ったら、裏切りとか終わらせ方とか、そういう話が出てきて理想のための犠牲、もしくは志は「よりよくしたい」でも意見が違うという話になる。
サイアリーズは国としての理想のために王子を裏切らなければならなったし、
マルスカールも国としての理想のためにクーデターを起こした。
ここの対立構造はなかなかやっていて特に面白かった部分でもある。

でも、こういうせっかくのストーリーをぶち壊したのがロードの長さである。戦闘開始に15秒かかるのはさすがに長い。他にも宿屋から出るだけで5秒とか軍議の場のあの重さは何?といわんばかりだった。メニューとかのデザインもどこか古臭いイメージがあるし、アイテムもなんか4と比べれて退化したような印象だった。しかもやたらに町が広く、すぐに目的地につかない。敵とのエンカウントも10歩歩いて一回くらいでは会い過ぎる。ただでさえレベルに執着しないゲームなんだし。
とまあシステムにはかなりの不満はあったが、ストーリーが素直によかった。楽しんだよといえる作品だった。

以下こまごまとやってて気づいたこと

  • リオンが後ろにわざわざくっついていたのは、ヒントとしてだけではなく、スタッフがその時にどう思っているのか、どう思ってほしいのかをプレイヤーに与えるために存在している。
  • リオンがロイに向かって叫んだあの話は「あんたの努力が足りないからよ!」で終わる。
  • ストーリーに直接関係しないところに名台詞が多い。リムスレーア・イザベル等
  • ミアキスの豹変っぷり。普段「あれ〜、〜ですぅ」、ギゼルを前にしたとき「姫様から離れなさい!」(両方ヴォイスあり)
  • ユーラムのヘタレはスノウくんには敵わない。仲間にするとヘタレじゃなくなるし。
  • EDの曲が流れた瞬間に2をやりたくなった。